「ロダンのもだえ」 静岡県立美術館

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2006年に訪れたフランス・パリのロダン美術館。

当時の印象はただ、今風で言うと「ロダンやばい!」だった。

もともとミケランジェロ好きな自分。そこからの流れで好きではあったけれど、ロダンの彫刻は正直いい意味で裏切られた。それだけ自分にとって本当に良かったのである。

彫刻の中に備わる感情が染み出した彫刻群が、建物内外に至る所に感じられる。
そしてブロンズの重厚感とスケール。

印象は

「もだえ」 

「生きているが故の欲望と葛藤」

言葉ではなく、触れる事の出来る感情たち。



近代彫刻の父でもあるロダンの形状は、古代ギリシャ彫刻やミケランジェロのような流麗な線はないけれど、その分、心に訴えかける感情が備わっていると感じる。

2006年から10年。

またここ日本で見たロダン。

あのパリで見た時の印象がフラッシュバックした、と同時にまた新たな発見や印象が降りかかってくるような作品。


「地獄の門」
かい摘んで説明するとこうだ。

1880年にパリの装飾美術館の入口門の扉をフランス政府から依頼される。

ダンテの愛読者だったロダンは、彼の著書「新曲」を表現しようと決心。形式の構成をイタリア、フィレンツェの「天国の門」に倣って制作を開始する。しかし、制作が進むに連れてダンテの構想が失われ次第に混沌するロダンの世界に変わっていく。



ロダンは終生この大作に取り組み、彼の独立した作品がこの「地獄の門」の為に生み出された。今までの個々の作品の集大成が溶けて融合した作品。

もちろん有名な「考える人」も、門上部にどっしりと鎮座しているのはご存知だろうか?



この門には人間のあらゆる感情をも飲み込んだような激情が凝縮している。

フランス・パリで、上野の西洋美術館で見た時よりもそれが鮮明に心に訴えかけてくる。



とにかく自分にとってロダンは

「ヤバい!」のである。

ここ、静岡県立美術館には、世界に7つ存在する「地獄の門」の一つが常時感じる事が出来る場所。

美術館は今、緑に囲まれ、訪れるには本当に良い季節。




現在は「東西の絶景」展をしているので、芸術に興味のある方は、是非訪れて頂きたいスポット。

お陰様で色々な「刺激と、もだえ」を受けた日でした。



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「ロダンのもだえ」 静岡県立美術館
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